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​会長挨拶

ホームページ開設に寄せて(御挨拶)

 

時下、皆様方におかれましてはますますご健勝のこととお慶び申し上げます。平素は格別のご愛願をあずかり、誠にありがとうございます。

 この度、当協会におきましてホームページを開設する運びとなりました。活動内容等について随時情報発信することで、今まで以上に皆様の身近な職種、団体として励んで参りたいと考えております。当ホームページは会員有志が手作りしたものです。皆様にはご不便をおかけすることもあるかと存じますが、末永くご愛用いただければ何よりでございます。

 

 私がこの職を志す契機となったのは大学生の頃、初めて精神科病院へうかがった時のことです。畳の病室、窓には鉄格子、プライバシーよりも保護、管理を優先された環境、そしてそこに何年も何十年も入院を続けている“普通の”方々。21世紀はこころの時代、などと呼ばれていましたが、そのすぐ傍にある光景とは思えませんでした。さらに驚かされたことは、退院が出来ていない理由を職員の方にうかがうと、熟考することなく「さあ、なんでだろうな」「帰るところないしな」と話すのです。あまりの無関心な様子に唖然としたものですが、今思えばそれは広くこの社会を映していたのかもしれません。

 彼ら彼女らの傍らで、耳を傾け、ともに悩み歩んでいく、切要たるはそこに在る「人」ではないかと考え、この職を選びました。精神保健福祉士が国家資格となって間もなく20年を迎えようとしています。制度政策は日々移り行き、現場には様々な技術、技法があふれる中、我々の実践には何事にも科学的な根拠を求められている感さえあります。制度ありき、サービスありきの関わりが利を生むこともあるかもしれません。しかし誰にとっての利なのか、精神保健福祉士の実践とは彼ら彼女らの傍らにこそあるということを今一度省みる必要があるかと思います。

 

 徳島県精神保健福祉士協会は2006年に設立され、現在約120名の会員が所属しております。専門性に焦点をあてた研修はもちろん、種々の機会によるつながりの創設、個人ではなく協会としてだからこそできる社会的な働きかけなど、いずれもソーシャルワークを基盤とする私たちにとって大変意義深い活動であると思います。

今後もさらなる活動の充実に努めて参りますので、皆様には引き続きご指導ご鞭撻いただけますよう、よろしくお願い申し上げます。

 

2017年8月  

                                                                             徳島県精神保健福祉士協会長  黒下良一

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